前回お話した通り、投資信託で資産を増やすのは「ゆっくり長く」が基本です。デイトレやFXなどで聞くような短期間で倍に増えたり半分に減ったりといったことは、ほとんど聞かない話なのです。
ローリスクである代わりにローリターンでもあるわけですね。
どれくらいかと言えば、平均して年3~5%前後というところです。
100万円投資して1年で103~105万円くらいになるくらいでしょうか。
「えっ!たったそれだけ?お金が減るリスクもあるのに、3万くらいしか増えないの?!」と思われるかもしれません。
おっしゃる通りです。
しかも税金が掛かればさらに利益分は減ってしまいます。
だからこそ、ニーサを利用して投資することをオススメしているのです。
例えばニーサの利用限度である5年間、順調に3%ずつ増えていけば、5年で100万が115万に増えます。
よく保険などで「5年ごとに10万円のボーナス」がもらえますといったキャンペーンをやっていますよね。
それに近い感覚で、ゆっくり長く資産を増やしていきましょう。
いくらローリターンだとはいえ、もちろん銀行の定期預金よりは断然お得なのですが、やはり「リスクがゼロではない」というところはデメリットであると言えます。
定期預金なら一度預けてしまえば、最悪その預金の存在を忘れてしまって、20年後にようやく思い出したとしても、貯金が減っていることはありません。
しかし、投資信託は、あくまで投資である以上、いつ何時資産が減ってしまうか分かりません。定期的に現状確認し、ニュースや新聞などで経済情勢を軽くでも追っていかなくてはいけません。
またニーサを通して投資信託をやるデメリットはあるのかといえば、とくにこれといってありません。5年の期限が過ぎた後は、他の口座などに移行する手間が発生するかもしれませんが、それくらいのものです。
投資信託はローリスクですが、そのリスクは出来るだけ細分化しておく方が良いでしょう。例えばニーサを通じて100万円分まるまるA社の株につぎ込んだとしましょう。
しかし「あれ?思ったよりなんか雲行きが怪しいな」と思って、撤退してしまったら、その年はもうニーサを利用して投資することが出来ません。
なので、一遍に全てを使い切ってしまうのはオススメいたしません。
「でも100万円で3万円しか増えないんでしょ?だったらあまり細かくしても意味がないんじゃ?」とよく言われます。
ですが、100万円を1社につぎ込んでも、10万円ずつ10社に投資しても同じです。
むしろ、10万円を10社に分配する方が、どこか1社が「見込み違い」だったとしても、他のところがその損失を補てんしてくれる可能性が高まります。
投資の世界でよく言われている「卵は1つの籠に盛るな」という言葉の典型ですね。