あなたが「株主」になれるのは、株を買った瞬間からですが、企業側が「あなたはわが社の株主ですから、株主としての権利があなたには確かにあります」と認定されるには、権利確定日を過ぎてからということになります。配当金や優待サービスを受けるには、権利確定日までに株を購入ないしは保有し続けていることが最低条件となっています。確定日後に購入した場合は、次の確定日まで保留ということになってしまいますのでご注意ください。逆に確定日直前に売却すれば、例え売却まで何か月も保有していたとしても権利は消滅してしまいますので、売る時期にも注意が必要です。
一般的な企業においては、中間決算・期末決算の時期の後というのが主なようです。3月と9月ですね。が稀に例外もありますので、しっかり確認してくださいね。
その際には、株の保有数によって優待サービスに違いがないかも一緒に確認しておくと良いでしょう。
さて、めでたく権利確定日までにお目当ての株を購入でき、配当金や優待サービスを受けられることが確定したとして、それらはすぐに受けることが出来るのかというと、残念ならがそうではないのです。もちろん企業によって差異はありますが、お手元に届くまでにはそれなりの時間を要するところが多いようです。
ここでは一般的な流れをご紹介しておきますが、決してこの限りではないことだけご承知ください。
・9月:決算終了
・10~11月:決算結果発表。確定した利益の内、配当金に回せる金額がいくらなのかも発表になります。が、一株あたりいくらかなどの具体的な数字はまだ確定していません。
・12月:株主総会が開催されます。そしてやっと配当金の金額が確定します。
・12月下旬~1月:株主優待券などがある場合はその現物と、配当金支払い通知書の発送が開始されます。
権利確定日から最大4ヶ月ほどかかるということは念頭に置いておきましょう。ちなみに、権利はすでに確定しているので、この4ヶ月の間に株を売ることは特に問題ありません。「これで配当はもらえる」と安心して、株の値動きに対する注意が疎かになってしまうようなことだけは避けましょうね。
長期的投資に向いているNISA口座で購入した銘柄は、基本的に売り買いの差額によって利益を上げるようなものではないでしょう。つまり、配当金の金額がいくらになるか、そして優待サービスがどうなるかという楽しみが強まります。もちろんNISA口座から買った株は絶対売らないわけではないですが、株を保有していることで損してしまう場合は、損する額と、配当金や優待サービスとを天秤にかけてみることも必要となるでしょう。売る時には是非権利確定日を確認してみてください。