株式投資を一番シンプルに説明すると「安く仕入れて高く売る」です。これはきっとどんな業種でも共通する「理想形」ですよね。飲食店でも販売店でもサービス業でもなんでも同じです。安い経費で高い利益を上げられれば、嬉し泣きしそうなほどの理想です。しかし、その理想形が簡単に実現出来るのであれば、日本はこんなにも長い不景気に悩まされることはなかったでしょう。あなたの周りには、株をやっているという人はどれほどいるでしょうか? 30代ぐらいまでは、友達の中に一人、二人いる程度ではないでしょうか。そうです。その「理想」を掴むのは容易なことではないのです。
正直、株を買うこと自体はちっとも難しいことありません。証券会社で口座を開き、買う株の銘柄を決める(どの会社の株を買うか決める)ところまで済ませれば、あとお金を払うだけで完了です。これであなたも立派な株主です。
しかし、株式投資の難しさは、その買った株をどう扱うかにあります。売買をして、その価格差によって収益を得るか、配当金目当てで決算期までとりあえず保有し続けるか。
どちらにせよ、株を買った会社や、業界全体の情報、ひいては国内、いや世界中のニュースに気を配る必要が出てくるでしょう。例えば、海外で災害が起きて、その国には、あなたが株を持っている会社の主要製造工場があったとしたら。そのニュースを見逃したら大変なことになります。このように、一見何の関係もない国の事件でも、あなたの株に関わってくることもあります。そしてそれによって、昨日まで1万円の価値があった株が、今日になったら5000円になっていたなんてことも起こりうるわけです。もしその株を100株持っていれば、あなたの財産は1日して、しかもあなた自身は何もしていないのに、100万円から50万円になってしまう可能性だってあります。
初心者の内は、明日株価が10分の1になっていたとしても、生活には影響のない範囲での投資をオススメします。
しかし株価の暴落よりも怖いのが、倒産されてしまうことです。株価が暴落しただけなら、例えごくわずかでも売ること自体は出来ます。しかし倒産されてしまったら、株券はただ文字やら模様やらが印刷された紙切れでしかありません。その昔、国内の航空会社が倒産した時には、本当に大騒ぎになりました。当時、航空会社と言えば、不景気なんてなんのそのといった安定企業の代表格のような存在でした。そんな航空会社が倒産したというニュースは、他の企業の「安定神話」の崩壊をも意味していました。なので、航空会社とは何ら関係ない業種の企業の株価まで大幅に下落しました。上記の項目でもお話しましたが、株の怖いところは、一見関係なさそうなニュースでも連動してしまう可能性があるところです。ニュースに対する広い視野が売買のカギとなるかもしれませんね。